静かな黄金週間

天気予報では晴れのち雨。
たんたんとOくんが出発してから、4日経った。
リビングの、二人が飼っている金魚が濁った水から逃れるように水面でぱくぱくしていた。
かわいそうだから、屋上で水槽の掃除をして水を入れ替えた。
水はきれいになっても、O君が金魚の隠れ家になるようにと入れた白いサンゴに茶色の苔が付いたのは掃除しなかった。
明日やりたい。
 
「午後から雨が降るよ」
昨日スジョンから言われたが、日が照っていて恰好のお散歩日和だと感じた。
黒いアスファルトが灰色に見えるくらい、外は明るかった。
 
だから、昨日twitterのタイムラインで気になった本を借りに、図書館へ歩いていくことにした。
目的の本は、地元の図書館にないが離れたところにある図書館の書庫にはあるらしい。
 
本の名前は「大学なんか行っても意味はない?」という。
 
初めて行く図書館は、小高い丘の上にあった。
白亜の壁と突き抜ける青空と生い茂る緑が色鮮やかでさわやかな夏を感じたが、
急斜面を上るのはそれなりにだるかった。
手とか頬に冷たさを感じ、肌に目を凝らすとごく小さな水滴が。
晴れているし、空気に湿り気があるわけではないが、もう雨が降り出している。
目的の本を借りたあと、帰路でも空模様は相変わらず晴れていたので、徒歩でてくてく帰った。
家に帰ってリビングでくつろいでいると、雨がざぁざぁと降り始めた。
まるで私が家に着いたタイミング見計らったかのようで、出かけるとき傘を持ってなかったから運が良かった。
 
そのあと、Netflixで映画「ムーンライト」を見た。
見終わったあと、借りた本を読み始めたが、映画を見始めたときからの眠気が本格化したので、シャワーを浴びて布団に入った。
 
そのあと、スジョンが作ってくれたご飯をみんなで食べた。
私が住んでいるシェアハウスでは、今でも大皿の料理が並び、
同じ皿から料理を食べている。
 
コロナがあるから、こういったことは禁止にするべきなのだろう。
でも、誰も気にしていないのを知っているから私も構わず箸をつけた。
手洗いうがいは欠かさずするが……。