ハッピーシェアライフ!
昨日はシェアハウスの入居者歓迎パーティーがあった。
コロナ禍でずっと空部屋だった2部屋に、同じタイミングで人が入居したのだ。
新しい入居者が入るのは、内心あまり嬉しくなかった。
共有するお風呂とか洗濯機は争奪戦になるし、冷蔵庫は使ってないスペースを今まで広々使っていたから。
その日私はかなり眠くて、午後6時から寝はじめていた。
夢見が悪かったが、8時頃パーティに途中参加した。
二人目の入居者であるA子さんはいたけど、一人目の入居者であるキムさんは、まだいなかった。
A子さんとは、リビングで話したことがあるから、既に顔見知りだった。
もう一人のキムさんは、ちょっと微妙な間柄だった。
先週の月曜日、寝起きでトイレを使っていると、ガチャッと扉が開く音がした。
誰だ、月曜日に朝帰りした奴は。と思いつつ、同じフロアを使っているのは、新しい入居者を除けば、もとからいた同居人であるメグちゃん以外あり得なかった。※流石に入居して間もない人は荷解きとか落ち着いてないから朝帰りなんかしないだろう。
そしてトイレから出ると、そこにぬぼっと人が立っていた。シルエットはめぐちゃんに似ていたが、それにしては背が高い気が……
お互いに様子を伺っていた。その間、5秒くらいだろうか。めぐちゃんでなければ、不審者の可能性もある。
牽制しあうようにお辞儀をする。
「誰ですか?」
私は寝起きの回らない頭で聞いた。
「201のキムです」
ここで私は不審者ではなく新しい入居者だったのだと、合点がいった。
寝起きで頭が回ってなかった上に、裸眼で顔が見えなかったこともあいまって、失礼なことをしてしまった。
そう思っていたのだがそれは全くの杞憂だった。
遅れて登場したキムさんは、私たちの邂逅を面白い話にして場を沸かせた。
比喩ではなく、ドッカンドッカン笑いが起きた。
キムさんは喋りに関しては、大阪人みたいだった。私は明石家さんまを連想したが、プロの咄家みたいだった。学校にはいないが、親戚に一人はいる、とるに足らないエピソードを面白く話せる才能を、彼女は持っていた。
そんなこんなで、私は、自分自身のボケた問い(誰ですか?)に、今年で一番の爆笑をすることになった。
普通に生きてたら、キムさんのような人と出会えたり話したりする事は絶対にない。
そんな人に出会えるし一緒に住めるから、シェアハウスは楽しい。