覆水不返

今日は図書館の魔術師を読んだ。
 
きっかけは、スドーさんのこのツイート
 

 
去年の10月くらいから節約生活を送っていて、月の生活費を15万円に抑えようと頑張っている。
今まで、一回も目標を達成したことはなく、大体いつも18万円前後に着地するけれど。
 
今月は多少頑張ったので、たぶん17万円くらいだろう。
 
半年実践してみて、生活費を15万円に抑えるには、毎日食事を自炊しないと達成できないことがわかった……。
 
でも、15万円以内で生活しよう!という気持ちでいると無駄遣いが減るから、目標金額は据え置いている。
 
だから、本当は漫画を衝動買いする余裕なんてないんだけれど、買った。
 
そして泣いた。
 
 
私はもともと本が好きな子だった。
本が好きだったけれど、周りに本を読んでいる子が誰もいなくて、先生にはいつも孤立していると思われていた。
私は本を読むのが好きなだけで、頭が良いわけではなかったので、中学生くらいまで「この世界に出版されている本をすべて読むこと」が夢だった。
一人で学校生活を送るのは無理だったので、友達を作るために、スマホのゲームをやったりニコニコ動画を見ているうちに、本を読まなくなった。
本を読まなくなったし、勉強もしなくなった。
いつも親に、推理小説を読んでいるだけなのに「気持ち悪い本を読んでいる」とか「脳みそが腐っている」とか言われ続けたし、勉強頑張っている子が周りに一人もいなかったのが大きい。
あんまり人のせいにしたくないのだけれど、周りの人間に合わせないで生きるべきだったと思う。
そうやって合わせているうちに、スマホゲームとか搾取の構造が出来上がっているコンテンツに搾り取られるようになったから。
現実逃避して依存した。
 
そうこうしているうちに、軽度鬱になり、私は文章が読めなくなっていた。(※軽度鬱の診断をもらったわけではなかったんだけど。というか診断名は教えてもらえなかった)
 
大学を卒業し、会社に入った。当時は有効求人倍率がそれなりに低かったので、内定を割とあっさりともらうことができた。
お金をためて実家を出たら、急に何かを読みたくなって、本を買うようになった。
どれもこれも全く頭に入らなかった。そんなことあるのかよと思ったが、しかし自分の頭がものすごく鈍くなっていることには気が付いていた。
1行読んで、次の行に移ったら、前の行を忘れるほどだとは思わなかったけれど。
 
だからか、図書館の魔術師の主人公・シオが本を愛する様を見ると、なんだか泣けてきてしまった。
 
あの物語は、本が好きな少年が司書(作中では'カフナ'と呼ばれている)を目指す話だったんだけれど、昔の自分が本でわくわくしていた時の気持ちだけを思い出し、喪失したことがわかり泣いた。
 
ものすごくメンタルを病んでいた時、何もできず、何もせず、無気力な人間の物語ってないんだろうか?とか考えていたことがある。推進力を失った人間の物語でないと共感できなかったから。
 
しかし、あれですね。
母親に将来の暗黒予想図を毎日聞かされて育ってたから、「もうだめなんだな」と思い込んでいただけで、別に私は縛られていなかったのだなと思うのです。
高校卒業したら、きっぱり家を出てしまえばよかった。
そうして社会に出てから、改めて大学受験をすれば、自分で選択することができたのに。
あるいは、大学に入らないことも選択できたでしょう。
 
そう思うけど、「保証人」という悪の制度があるので、やはり厳しかったかな……。
 
自分のメンタルを治すためにメンタルクリニックを転々としていたけれど、「一人暮らしをする」「バランスよく毎日食べる」「一日の生活リズムを大きく変えない」ことが一番メンタルに効いた。
 
そして、鬱に差し掛かっていた高校生のころからこうしていればよかったと、後悔しているのです。
もっと勉強したかったとはあまり思わない。
勉強する以前に、精神的な健康が大事だし。
勉強していない日々を過ごしていた時、「将来勉強しなかったことを後悔するのかもな~」と思っていたけれど、あんまり後悔していない。もっと教科書を読みこんでおけばよかったとは思うけれど。
 
知らぬ間に、高校生も10年前の出来事になった。
私を「こんな風に」した人間に対して、許さねぇ、という気持ちもあるけれど、当時のことを引きずって何も変わらないままでいるのではなく、自由を謳歌したいなと思う。
 
そして、もっと早くそうしていればよかったな~と、また後悔するのでした。